くれは 「学校図書館の充実を求めて」として聞きます。
 昨年9月2日、文部科学省は、国民の読書推進に関する協力者会議の報告書の中で
「読書環境の実現のために」を公表いたしました。

 その報告書では、学校での読書の現状として、司書教諭・学校図書館担当職員(以下、
学校司書といいます)の配置や学校図書館図書標準の達成率には課題が残ると指摘して
います。
 
 平成23年度までの5年間の「学校図書館図書整備5か年計画」により、毎年約200億円
が地方交付税措置され、国全体としては、学校図書館図書整備が着実に進んではいます。

 しかし、達成状況を学校単位で見た場合、達成している学校の割合(平成21年度末)は、
小学校で50.6%、中学校で42.7%に留まっていると報告書に記載されています。
 
 小学校で本年度から、中学校で来年度から、新しい学習指導要領が全面実施され、
その中でも授業において学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、より一
層読書活動を充実することが求められています。そこで市の現状と今後についての考えを
お聞きます。
 
@ 市内小・中学校の学校図書館の蔵書数並びに学校図書館図書標準の達成率は
いかがですか。
  また、全国の公立小・中学校の達成率状況と比較してどのようであると認識されていますか。

A 報告書の中で課題と指摘している学校司書、市の場合は学校図書館教育補助員と
言いますが、配置状況は。また、現在の配置体制で十分であると認識されていますか。

B 学校図書整備5カ年計画や学校図書館担当職員の配置にかかる地方交付税措置を
踏まえ、市としての今後の方向はどのようにされますか、確認します。


教育部理事  まず、1点目の平成22年度末の学校図書館の蔵書数は、小学校全体で
7万365冊、中学校では2万4920冊となっています。
 
 また、平成21年度末の学校図書館図書標準達成状況は、25%から50%が6校、
50%から75%が3校、100%が2校、100%以上を達成している学校が2校となっています・
 
 また中学校では、50%から75%が3校、100%以上達成している学校が1校となっています。
 今後、充足率が低い学校については、順次整備を行い、蔵書数を高め、読書に魅力を
持つ子ども、また子どもたちの読書活動が推進できますよう取り組んでいきたいと考えています。
 
 2点目の質問です。市内すべての小・中学校には府費による司書教諭が配置されています。
さらに市費により司書教諭や図書館司書の資格を有する9名の学校図書館教育補助員を
配置しているところです。

  この学校図書館教育補助員は、おおむね2校に1名の配置となっており必要な対応を
行っていると考えています。
 現状の中で、教職員やボランティアの皆様の協力も得ながら、効果のある図書館運営を
行っていきたいと考えています。

3点目です。本市教育委員会では、平成24年度からの学校図書館整備五ヵ年計画や
学校図書館担当職員の配置にかかる地方交付税措置に先駆け、平成18年度から旧木津町域
の小・中学校に、20年度からはほぼすべての小・中学校に学校図書館教育補助員を配置し、
学校図書館の機能の向上を図ってきたところです。
 
 また、今後も「学校図書館整備五ヵ年計画」及び平成22年3月に策定した「木津川市子ども
の読書活動推進計画」の趣旨に基づきまして、学校図書館の整備充実と学校図書館教育
補助員の継続的な配置により、学校図書館の機能の向上を図り、児童・生徒の学習意欲の
向上を図っていく所存です。


くれは (資料提示)これは平成21年度末と記載していますが、蔵書数は平成22年度末の数字
ということです。若干の数字の達成状況を述べていただいたのとは差異がありますけれども、
比べていただいて、小学校の25%から50%未満の学校が6校あるんだよと。

小学校では2.5%ですよね、下の表(全国の達成状況から)見ると。全国で2.5%しかない
ところに木津川市では6校の学校が、まだ達成状況がそれ未満なんだよということです。
市長、これを見て、どんなふうに思われますか。


市長 これまでも、学校の図書について充実をと進めてきたところですが、若干、やはり
合併以前の状況、また合併後の状況もあると思っています。
 今後、教育委員会とも十分に連携をとってまいりたいと考えています。


くれは 報告書の中にある項目ですが、「読書に関する施策の優先順位は低く位置付けられ
がちであり、このことは例えば学校図書館の蔵書の整備状況のように、地域による読書環境の
差として現れているとも考えられる」というような記載があります。さらに提言に「自治体の首長や
議員の理解を得ましょう」と書いてあるわけです。
 
 学校図書館図書整備5か年計画、1,000億円という費用が交付税措置されるとなっています。
ぜひとも重点的にこの率の低いところには担保していただく、そんな考えを持っていただけたらと
思いますので、そのことを確認します。


教育部理事 議員ご指摘のとおり、本市においては100%以上の学校もありますし、
先ほどお話がありましたように、6校につきましては低い率であるというのはそのとおりです。

 現在、教育委員会としましては、各学校のいわゆる充足率のことを踏まえまして、各学校の
実態に即して来年度以降、重点的に予算配分も含めて対応していきたいと思います。
 ただ、予算も一定限りがありますので、そういうことも含めながら、対応していきたいという
ことと同時に、もう1点、現在木津川市の市立図書館のほうで児童書の書架とか倉庫の中に
もたくさんあります。そういう図書等、これについて学校の希望を募りながら、学校図書館へ
移譲を行うことを考えています。

 実際に今年度1005冊の図書のリストアップをいたしまして、学校の希望を募っているところです。
今後、こういった取り組みについても、来年度以降も定期的に各学校に紹介しながら実施
していきたいと考えています。


くれは いろんな取り組みをしながら、蔵書環境を整えていっていただきたいと思います。
あと1点の学校図書館の補助員というか、私は学校司書と呼びたいのですが、おおむね2校に
1人ということで言われています。

 木津町時に平成15年度からスタートした制度です。合併して、平成20年度から全市に
広がったということで、私は非常に評価する制度だと思うのですけれども、これは教育委員会
としては、おられることで、どのような成果を思われていますか。


教育部理事 図書館の補助員を配置することによって、様々な点で子どもたちの図書利用
についても非常に進んでいる、また読書活動も進んでいると把握しています。

 実際の業務としては、図書館運営であるとか、図書の購入計画、また図書の選定、
読み聞かせ、図書室のディスプレイ、本の貸し出し等の業務、また全体にかかわる部分を
学校のほうに配置しております司書教諭とともに、業務をおこなっていますので、こどもたち
にとってみますと、やはり読書環境は非常に整ってきていると考えています。

 また、これにつきましては、それぞれの学校の実態は違いがありますけれども、それぞれ
の学校なりの特色を活かして、業務を行っていると考えています。


くれは 木津川市のHP等々では、そこら辺りの記載が全くないですよね。
宇治市のHPで「学校図書館の今」とか「学校図書館司書の一日」という記載があります。
ご覧になったことはありますか。


教育部理事  私は、申し訳ありません。他の市のHPについては存知でいません。
申し訳ありません。


くれは 木津町時から始まった特徴的な施策の一つだと思います。ぜひとも、成果をきっちり
と把握していただいて、PRも兼ねて発信していただきたい。其の考えを確認したいと思います。


教育部理事 現在、おっしゃるとおり、HP上等でPR活動は行っていません。今後につきましては、
やはりうちの市の取り組みの特徴でもありますので、これからということになるのですが、
検討はしていきたいと考えています。


くれは ぜひともしてください。其の上で、図書館隔週です。まだ鍵がかかっている図書館が
あって休み中に使えない図書館があるのをご存知ですか。


教育部理事 現在、先ほども答弁しましたように、2週間に1度という形で、活動しているわけ
ですけれども、鍵がかかっているということについては学校によって様々な事情があるかと思うの
ですけれども、基本、子どもたちが活動というか、読書活動に入る時間帯等については鍵を
開けている状況があるかもしれませんけれども、場合によって学校の状況がありますので、
鍵がかかっている場合もあるのではと思います。すべての学校に確認したわけではありませんが、
そういう状況は一定あると認識しています。


くれは 中に先生がおられていても鍵がかかっている状況があるところもあります。ぜひとも、
統一的な役職を確認していただいて、積極的な施策としてPRしていただきたいと思います。

 また、交付税措置、初めてこの司書担当職員の配置の費用が150億円という費用が初めて
措置されています。木津川市では、今まで地方交付税はないけれども措置してきたわけです。
さらに措置を平成24年度から頂くわけですから、さらに拡大してほしいと思います。

「学校図書館担当職員の配置やその常勤化を推進する方策についても検討されるべきである」、
これが報告書に中身です。ぜひとも、木津川市の特異的な施策として前向きにさらに進めて
いってほしい、其の思いで質問しました。教育長、最終のお答えをいただきたいと思います。


教育長 基本的に財政措置がないにも関わらず、先行施策として実施してきたということであって、
後発的にその裏打ちが出てきたというのは、非常にありがたいと思っています。そういった
趣旨も含めて、また市長ともよく相談させていただきたいと思ってはいます。

  ただ、交付税措置というのは、地方交付税算定の際の財政需要額の中に算定、計算式上
入れ込んで、交付税措置したからということで、すべてが市の財政に収入として入ってくる
わけではありませんので、しかしすでに単費で先行実施してきている分についての裏打ちが
できだというのはありがたい、そう思っています。


くれは 地方交付税の性質はわかっているつもりですけれども、やはり木津川市の特徴的な
施策であるということ、市長の先ほどの答弁もありましたので、議論していただいて前向きに
進めていただきたいと思います。