木津川市職員措置請求書

 

木津川市長及び関係職員に関する措置請求の要旨

 

【1 請求の趣旨】

 

第1 状況や背景の説明

   木津川市では、「木津川市議会政務調査費の交付に関する条例」に基づき、政務調査費が交付される。交付対象は「会派及び会派に所属しない議員に対して交付する」 (第2条)、交付方法は「年額交付する」(第3条)、金額は「会派に対する政務調査費は、所属議員数に月額1万円を乗じて得た額を交付」(第4条)、「無会派議員に対する政務調査費は、月額7,000円を交付」(第5条)となっている。

   この条例に基づき、4会派が木津川市議会議長に会派結成届けを提出し、木津川市長に政務調査費交付申請書を提出している。市長は政務調査費交付決定通知書を通知、その後、各会派は交付申請書を提出している。イレブンの会、日本共産党木津川市議員団には、2007年7月17日付けでそれぞれ110万円、40万円が交付され、伸政会及び公明党にはそれぞれ80万円、20万円が交付されている。尚、伸政会、公明党の収支報告書には交付日の記載が欠落しているが、イレブンの会・共産党と同日と推察される。

 

第2 支出の事実

「木津川市議会政務調査費の交付に関する条例」に基づき、各会派の代表より収支報告書が提出されている。以下に収支報告書より私が作成した表を示す。

  

会派名

(人数)

イレブンの会

11人)

伸政会

8人)

共産党

4人)

公明党

2人)

調査研究費

210,140

269,640

150,880

 

研修費

 

 

 

 

会議費

 

2,000

10,120

 

資料作成費

 

 

 

 

資料購入費

133,550

 

 

46,300

広報費

747,538

192,444

246,771

 

事務費

10,068

10,278

355,499

10,068

合計

1,101,296

474,362

763,270

56,368

                                      (円)

 

 1 条例・規則と政務調査費

木津川市議会政務調査費の交付に関する条例」には、市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない」(第9条)とあり、同規則に定める使途基準に従って使用することが求められている。

   

2 広報費に対する支出割合が大きい。

特にイレブンの会については、支出の7割を広報費で占め、その内容は議員個人の挨拶・活動報告が多くの部分をしめる会報であり、会報を出すための政務調査費の扱いとなっている。会報発行回数は、イレブンの会4回、伸政会1回、共産党3回である。

   

3 事務費に対する支出割合が大きい。

共産党については、収支報告書の総額が交付金額を大きく上回っており、政務調査費をどの項目に使用したか不明確であるが、事務費の支出割合が大きく5割を占めており、内容はパソコン・コピー機の賃貸料、コピー機の補修料などである。

 

第3 支出の違法性・不当性

1 イレブンの会の会報は、本来の政務調査の目的に照らして市民の意見を聴取したり、報告したりするものになっていない。特に4回の会報いずれもP2~3の内容は、議員個人の思いや活動、決意を述べたあいさつ文であり、政務調査費の使途基準と照らして不適切である。

 

2 共産党については、パソコン・コピー機の賃貸料、コピー機の補修料の11ヶ月分の事務費322,213円の備品借上分を政務調査費から充当しているとの報告資料がある。政務調査費をどの項目に使用したか不明確な報告である上に、このような使用実態は、本来の政務調査の目的から逸脱しており甚だ疑問である。

 

  3 そもそも政務調査費とは、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として、その議会の会派及び議員に対し、交付できる(地方自治法第100条第13項及び14項)ものである。調査研究に該当しない支出は、違法な支出である。

 

第4 損害

 前記のとおり違法な支出は木津川市が負担する必要のないものであり、市の損害である。

損害と予想される金額(上限)は106万9751円である。

 

 

第5 請求人が監査委員に求める措置(勧告)

  政務調査の目的に合わない違法・不当な支出額106万9751円(上限)をイレブンの会、日本共産党木津川市議員団に返還するよう市長が勧告することを求める。