くれは 1問目、「官製ワーキングプアを生んでいる入札方法を見直せ。」として聞きます。
 学校警備は、市内小学校に警備員1名を配置している事業で、平成17年に旧木津町で始まり、
合併後市内13小学校に広げられました。一般競争入札によって19年は2015万円、20年
1989万円、21年1950万円、22年1746万円、23年1781万円これは税抜きの価格です
けれども、とほぼ、年々委託費用は下がってきました。

 今年度は、「1学期中に十分検討し、今後の方向を定めたい」として1学期のみの業務を
指名競争入札で実施、落札率79.89%591万円で決定して実施されています。申す
までもなく、この業務は、経費のほとんどが警備員の人件費で占めています。

 入札を経るたびに経費が低下するという状況は、何が起こっているのかというと、労働者
の賃金の低下や、交通費の支給がなし、備品も自前を使用という状況と聞きます。

 平成19年以降、学校警備委託料は、一般競争入札による価格競争のし烈化が続いています。
市は、業務委託に最低制限価格の設定をしていないため、最も安価な業者が落札する仕組み
となっています。

 2002年に「地方自治法施行令」第167条の10の2項が改正され、労務提供型の業務委託
にも最低制限価格の設定が可能となりました。さらに、2009年に施行された「公共サービス
基本法」の第11条には、「地方公共団体に公共サービスに従事する者の労働環境の整備に
関し必要な施策を講ずるよう努める」とされています。

 全国に先駆けて、野田市は、2009年に公契約条例を制定、次いで川崎市相模原市多摩市
なども制定しています。また、新宿区では、平成22年7月より工事請負契約や委託契約において、
公共サービスの実施に従事する者が適正な労働環境の下に行なわれているか、契約締結時に
、『労働環境チェックシート』の提出を義務付けています。労働環境チェックシートには、業務に
従事する者で最も低い賃金の単価の記載をさせ、官製ワーキングプアを防止する施策を
講じています。

 公契約における低価格競争により労働者の賃金低下を招かないような措置が、今こそ
求められていると感じます。
そこでお聞きします。3点です。
@学校警備業務委託において労働者へ支払われる賃金の状況の把握をしていますか。
また、交通費の支給状況や、必要経費の支給状況を把握していますか。
A労務提供型の業務委託に最低制限価格の設定は不要と考えますか。
B官製ワーキングプアを防ぐために、公契約条例の制定が必要と考えます。どう思いますか。


教育部理事  学校警備における業務内容におきまして、問題等がある場合には、受託業者
を通じて警備員に対して適切に対応するよう指導を行っているところですが、労働者へ支払わ
れる賃金や交通費、必要経費の支給状況など、雇用条件等労務協定に関わる内容については
把握していません。
以上です。


建設部理事 2問目3問目の質問にお答えします。労務提供型の業務委託については、
工事のように一定の資材の調達等を行って目的物を完成させる必要がなく、労務単価が
中心であり受注者としても当然、最低賃金法等の労働関係法令を順守の上、業務が実施
されるものと考えています。
 次に、公契約条例制定に関しての質問ですが、京都府の公契約大綱では、労働関係法令等
の遵守の徹底により対処したいと考えており、現在のところ、自治体独自で最低賃金を規定する
公契約条例を早急に制定することは考えていませんが、今後、京都府の動向等も見ながら
対応していきたいと考えています。


くれは  1点目、さらっと答えていただいたわけです。
 労働者への賃金、交通費、そして必要経費の支給状況等々把握しておりません。把握をして
いないということは、どういう実態になっているのか、確認もできないということだと思うわけです。
 私、今回、この質問をするのは、学校警備に関わって取り上げていますけれども、市の業務委
託全般について、例えば、庁舎等の清掃業務についても最低制限価格は設けておりませんので、
庁舎全体の入札全般についての問題提起としてとらえていただきたいと思っています。
 
 把握していない。する必要はない。する必要はないとはおっしゃってないと思いますけれど、
する必要はないと思われますか。把握する必要はないと思われますか。


教育部長 基本的には、契約書の中で法令上の責任等についてということで、労働基準法
あるいは最低賃金法等について、法律上の一切の責任を負い、かつ責任を持って労務管理を
行う者とすると契約書の中にうたっていますので、市としましては、受託事業、市がこの法に
基づいたことを徹底する者と認識しています。


くれは するものというふうに、確認はできないけれども想像するものというような感じで聞かせ
ていただきました。
 先ほど、金額が低下していることをお伝えしました。この学校警備については、当初、平成
19年度89.56%という落札率が今年度79.89%と10%も下がっています。予定価格の
積算はそれに比べてどうだったかというと、過去ずっと一緒です。一緒に予定価格を呈示して
89%だったものが79%と10%近く下がっているということです。予定価格の積算、これを資料
頂きましたが、情報公開によりいただきましたけれども、1人1日の単価を税込みで8571円と
見込んでいます。そして、日数×学校数ということで、積算の価格については変更がない
わけです。

 先程いいましたように。その1日当たりの経費、これは諸経費を含みますので8571円が
諸経費を含んだ金額なのですね。で、今年度、その上限予定価格実際の落札した金額、
1日当たりいくらであったか、1人6848円。1日働いて6848円の中には賃金もそしていろんな
必要とされる経費も、もちろん企業がただでもうけなしということないでしょうから、それも
含めて入って6848円。この金額、どう思われますか。


教育部長 1日当たりの諸経費を含み6848円というところです。これでいきますと、基本的
に8時間勤務というふうに仕様書の中でうたっていますので時間あたりにしますと、856円、
これを地域別の最低賃金によりますと、京都府では時間あたり751円となります。この差
につきましては、諸経費を含みということになります。契約書あるいは仕様書の中で
、服装あるいは賃金体系についてもすべて受託者においてこの範囲の中でするようにと
いうふうにうたっていますので、それについては守られていると思っています。


くれは 計算していただきました。105円。でもこれ税込ですから実際には100円。それで
今言われたすべてが入っています。今年度1学期間、まあ大体70万円という金額ですね。
最低賃金の751円×8時間×72日間で、1人の警備員さんに支払われたとして、残りが70万円
に満たない金額なんですね。これも調査もしないで、きちんと労働環境が守られています
と言われるその根拠が契約書にあるからというのは、私は非常に不安ですね、心配です。

 労働者、雇用者の賃金体系も含めて、生活ができる形になっているのかということは
非常に不安です。官製ワーキングプアを生みだしているのではないかと心配してのこの
質問ですので、そこら辺、業者さんがちゃんとやられていますよという根拠が、私は調査
しないでそう言われるのに、非常に納得がいかんという思いがします。どうでしょう。


教育部長 そもそも呉羽議員さんがこの質問をされているということにつきましては、質問の
趣旨を十分理解しております。基本的には、自治法の施行令の改正によって、最賃制を設ける、
あるいは一定の確認をできるような指針をつくる、さらには条例制定をしてはどうかという
趣旨でございます。冒頭、呉羽議員さんがおっしゃられたように、市全体の契約についての
内容ですよとおいうことで冒頭言っていただいています。

 我々といたしましては、まずこの警備については、現在の契約の執行状況、市として示して
おる状況のもとにおいて、この入札を行っているというところですので、今後のことにつきまして
は、先ほどの答弁にありましたように、2問目3問目、市としてということになるかというふうに
思っていますので、私自身がこの契約について、これでいいのか、どう思っているのかと
言われましたら、これでいいと思っていると答弁申し上げたいと思います。


くれは それでは、市全体の考え方を確認しなあかんということですよね。
 その前に、業者からいただいた内訳書、1枚だけです。1枚きりの契約書、内訳書で先ほど
言いました6848円。諸経費を含んで12校分、72万払うよと、これをもって、私はきちんと適正
に業者が執行できるかというのを把握しにくい、できないと思いますので、合わせて全体も
そうですけれども、個別にきちんとチェックすることが必要ではないかという問題提起です。

 それでは、全体のことと言われていますので、これは要らないということですか。
 最低制限価格は必要ない、業務委託については最低制限価格は設けなくていいんだよと
言うのが、市の考え方ですか。
 理事が先ほど答えていただきましたけれども、もう一遍確認します。


建設部理事 現在のところは、最低制限価格を導入する考えは持っていません。


くれは 先ほどお伝えしましたよね。公共サービスの実施、公共サービス基本法、これに
自治体にはそういう労働者の環境をきちんと、賃金低下を招かないような措置が求められる
、そういうのをお伝えしましたが、そこでお聞きしたいと思います。
 努めるものとするということですので、これは努力規定ですので、そういう意味では、木津川市
はしないということですか。公共サービス基本法の11条の規定にのっとっての対応というのは、
木津川市はしませんということですか。


建設部理事 昨日もお答えしましたが、現在のところは、すぐに公契約条例を制定しないと
いうことですが、京都府や市町村の動向を見て、検討をさせていただくと考えています。


くれは 公契約条例までいかなくても、労働環境のチェックシートとかを設けている事例があり
ますよ、添付させている事例がありますよ、それと業務委託についても最低制限価格を設けて
いる自治体が増えていますよとお伝えしているのです。ですので、公契約条例は先の話だと
しても、今欠落しているところを埋めるべきではないですか。公共サービス基本法にのっとり、
きちんとした施策を打つべきではないですか。

 先ほど、法令等の順守の業務が実施されているものと考えています。そして労働関係法等の
順守の徹底により対処していきたいと思います、と言われました。
 しかしながら、先ほど聞かせていただきました学校警備に関しては、そこら辺のやりとりが
きっちりと見えてこない、見える形にはなっていない、それは市全体として業務委託すべて
に対してそうだと思いますよ。例えば、庁舎の清掃、これも同じようなことだと思うのです。

 公契約条例までいかなくても、その前に打つ手はあるんじゃないですかという、
その考え方はどう思いますか。


建設部理事 担当課で業務内容に応じた適正な積算が行われているかについては、今後
検証を図っていきたいと考えています。
 また、法に抵触するような事態が生じた場合は、新宿区で採用されているような労働環境
チェックシート等の採用についても、検討していかなければいけないかと考えています。


くれは 抵触しているかどうかをどんなふうにして把握するのですか。


建設部理事 再度に質問に答弁させていただきます。
 法に抵触するかどうかというのは、そういった所管の組織がありますので、そちらのほうに
担当部署というか通報があった場合は。またそれなりのことが判明するということですので、
そのときはそれに基づいて対応を検討したいと考えています。


くれは 仕組みづくりが大事ということをお伝えしたいと思います。法に抵触してから対応する
のではなく、最低制限価格をきっちりと設ける、積算をきっちりとする。そしてきちんとその契約
どおりに、内訳書どおりに履行されているかをチェックできる仕組みを入れる。

 そのことが後から、法に照らして対応するよりも、木津川市の姿勢として高められると感じます。
木津川市が官製ワーキングプアを生まないためにも、そういう方策が必要ではないかとの思いで
質問していますので、そのあたりを十分受け止めていただきたいと思います。
 起こってから対応するのではだめだと指摘したい。それを改めてお聞かせください。


建設部理事 ご指摘のあった点については、十分検討していきたいと考えています。
よろしくお願いします。


くれは 公契約大綱もインターネットで、京都府のホームページから見せていただきました。
具体的にはありますけれども、これがきちんと履行されているのかどうか、それをチェックできる
仕組みは、それをつくらんとあかんと感じての、私の質問です。
 公契約条例、昨日、西岡議員がおしゃっていただきました。先ほどの答弁とほぼ一緒ですけれども、
今後、京都府の動向も見ながら対応していきたい。市長がおっしゃった言葉がきちんと、
労働者の環境が守られているかというところをチェックしながらというようなことをおっしゃったと
思いますので、今のやり取りを聞かれながら、やはり私自身、労働者の賃金低下を招いていると
思っての質問ですので、市長の改めてのこの実態を踏まえての考え方をもう一度ここで確認
しておきたいと思います。

 それと公契約条例のことについて、もう少しお伝えしたいと思います。
 この間、「安ければ安いほど良い」という効率化優先により、民間企業は競争入札のもとで
可能な限り安い価格で受注してきていることもあります。その結果、先ほど言いましたように、
受託者の民間労働者の賃金を始めとする労働条件が劣悪化の一途をたどっている、貧困と
格差をいっそう推し進めた、それが要因となっていると、私自身は思います。これこそが行政
が創りだす官製ワーキングプアだと指摘しているわけです。

公共サービス法 先ほどもお伝えしましたが、理念法です。11条の先ほどの項目、これはあくまでも、
努力義務ではありますが、私は、自治体の姿勢を示すその意味でも、公契約条例の制定が望ましい
と考えて、最終的にはこれをきっちりと木津川市はつくってほしいとの思いで質問しています。

 そして必要性をお伝えしておきます。十分わかっていらっしゃると思いますけれども、必要性の
ところを何点かお伝えします。
1 つは、ダンピングの防止し、その結果、就職困難者な人たちが就職できるようにすることです。
そのことが一つ目の目的かと思います。
2 つめは、官製ワーキングプアの一掃。
3 つめは、経済の活性化です。障がい者や母子父子家庭などの就職困難者の方が就労すること
により賃金を得られれば、消費が増加し、経済が潤います。
4 つめは、地元業者の育成や、地元資材の活用、地元雇用の拡大です。
5 つめは、談合防止もあると思います。
6 つめは、環境や安全性の確保、これらが公契約条例の目的というか、目指すところとなると思い
ますので、ぜひとも研究していただき、京都府の動向をみるということを言われましたが、木津川市
が率先して今の状況を変えるために働いていただきたい、そう思います。


建設部理事 昨日も申し上げましたように、今後十分検討していきたいと考えています。


市長 日本経済が非常に厳しい状況になっている中で、やはり下請けの方また労働者の方に
大きなしわ寄せが来ているという現状も把握しています。そういった中で、そういったことどういう
ふうにして防いでいくのかということの中で、公契約条例についてのご提案もいただいています。

 そういったことがやはりしわ寄せがそういった方にいくことのないように、今いろんな提案をいた
だきましたが、そういう労働関係法令の順守をしていただくという、そういった明記を今後もして
いくという、そういう中で、労働環境チェックシートを採用されているところもあると伺っています。
そういったことを全体の中で検討していきたいと考えています。


くれは 労働者にしわ寄せがいっているという現状も把握されているという市長の言葉ですので、
ぜひとも早期にというか計画的にというか、順を追ってきちんとしていただきたいと思います。

教育部長、全体の方向は聞かせていただいたわけですけれども、そこを聞きながら、担当課として、
というような発言もあったわけですけれども、今後この学校警備については、1学期間で検討して
次2学期はどうするかということも含めて、2学期に同じ入札があるのかどうかも含めて。
である方向なのか、そこのところを確認しておきたいと思います。


教育部長 まず、警備は今後どうなっているのかについては、現在、予算上1学期についてと
いうことで、それに基づいて契約しています。2学期からどうしていくのかについては、今学校
と十分協議しながら、また警備の実態等についても状況把握を今しているところです。
 
 それから有人警備にかわる警備としてどういったものがより有効であるのかということに
ついても、今検証しているところですので、今後の方針ということについては、2学期を目途
に今、努力中であるということで、まだどうしようかという決定には至っていないというところです。


くれは 学校よっては非常に警備の状況が違うというのは、実態としてあると伺っています。
 幼稚園が併設されて、幼稚園の駐車場を兼ねているところ、目の前が道路で危険なところ、
現在校舎を増築しているところも含めて、学校によるばらつきがありますので、一律、じゃあ
どうするのかというようなことになるのか、一定、必要なところに配置するというのか、そこら辺り
は今後の検討かなと思って、聞かせていただきましたけれども、もしそういう形で検討され、
指名入札等々が行われるのであれば、同じような形での入札ではなく、少しそこに私は工夫
していただきたいと、今の時点でお伝えしておきます。
 
 検討結果が出ていませんので、思いは伝えられないと思いますので、指摘と言うかお願いに
留めておきたいと思います。