くれは  くれはです。4問します。
 まず1問目は、「木津川の堤防の危険性を十分認識せよ」として市長並びに担当部長に聞きます。
淀川流域委員会の答申や国の方針が交錯する中、ダム建設計画について、大阪・京都・滋賀県知事が連帯して意見準備を進められています。

 8月の新聞に掲載された流域委員会委員長の記事や特集記事などを読んで、あらためて、ダムと堤防の問題は、木津川市にとって大きな問題であると私は認識しました。

 このところの予測を上回る局地的な豪雨が頻繁に起こっていることもあわせて考えると、浸水はいつ何時どこで起きても不思議ではないという状況だと思います。住民の命を守る自治体の長として、実態についての認識を聞きます。

@ 木津川の堤防について、市として実態をどのように把握しされているか。
A 木津川は、国の安全基準を満たしているかどうか把握されているか。
B 堤防について、淀川流域委員会等に要望されたことはありますか。
C 木津町ハザードマップによると、市役所周辺は2メートルから5メートルの浸水危険箇所となっています。これは、どのような雨量を想定してのものですか。


市長 木津川は、国が管理する一級河川です。木津川の堤防の状況につきましては、国土交通省淀川河川事務所より昨年8月16日に「淀川水系河川整備基本方針」が策定されたことを受け、「淀川水系河川整備計画」を策定する旨、説明を受けております。

 この河川整備計画の中で、木津川市における堤防の強化箇所も示されておりますので、市といたしましても、堤防の状況につきましては、この資料により把握をしているところでございます。

 次に、淀川流域委員会等への要望につきましては、昨年12月に淀川水系河川整備計画の市町村懇談会があり、その中で、木津川市として内水対策、無堤防地域対策、堤防強化などについて、災害防止の観点から意見を述べております。

 また、琵琶湖・淀川流域市町村長より、淀川水系河川整備計画原案と今後の河川整備に関する意見書においても、内水対策や赤田川の河川改修などを明記させていただき、国土交通省近畿地方整備局長に提出しているところです。
 詳細については、担当部長より答えます。


建設部長 本市で把握している木津川の堤防強化区間については、木津川市内のほとんどの堤防が該当しており、平成19年度から国土交通省淀川河川事務所により堤防強化工事を実施しているところです。

 次に、木津川の堤防の安全基準については、国土交通省近畿地方整備局が策定する「淀川水系河川整備計画」で堤防詳細点検の結果、照査基準を満足しない区間が示されております。

 この資料によりますと、木津川市域のほとんど全区間がその基準を満足していないため、堤防強化を実施する必要がある区間となっています。現在、国土交通省淀川河川事務所により堤防強化工事を実施していただいておりますので、この工事が完了すれば、国の安全基準を満たすものと考えている。

 4番目の旧木津町のハザードマップについては、平成18年度に作成したもので、この雨量については、昭和28年9月台風13号の洪水時の2日間総雨量約500ミリですが、その2倍の雨量を想定して作成したものです。


くれは 先ほどの答弁では、堤防の状況については、「資料より把握しているところです。」と市長の言葉がありました。私はHPで見せていただきました。

 近畿整備局より淀川水系の「河川整備計画」案が公表されていますし、その前のこの計画案に対して各市町村長の意見を集約されていることがありました。HPで公表されているのを見たのですが、昨年の10月4日河井市長の言葉ですが、「堤防の補強についても順次実施されているが、災害の防止に向けて危険のあるところから順次進めてほしい。」また、11月8日には「市内には、鹿背山地区・加茂岡崎地区の2箇所の無堤防地域があり、河川整備計画を策定するに当って何らかの対策が必要ではないか。又、対策が必要であれば、整備計画に明記すべきではないか」というのが、市長の木津川の堤防についてのすべての意見です。

 実際先ほどの建設部長の答弁では、すべて木津川の堤防は強化の必要な部署だというような発言と合わせて考えても、非常に心もとない意見のように感じました。

 また、9月17日付けの朝日新聞記事によると、京都府知事が大戸川ダムの先送りを示した上で、木津川水系の川上ダムは必要との考えを示されています。そして、整備局の発表した堤防の強度に関する点検結果、先ほど述べていただきましたが、堤防に水がしみこみもろくなる「浸透」に対する強度が、淀川水系全体の3分の1にあたる100キロで不足している。そして、京都府内の木津川下流域では9割が不足しているんだという結果があらわれています。

 このような状況の中で、先ほどHPの意見を申し上げましたが、非常に心もとない意見ではないか、もっと積極的に堤防整備を訴えるべきだと思います。その考えは?

 9割が不足しているという事実、ということは、水位が堤防をうわまわらなくても崩れるおそれがあるというわけです。脆弱な堤防であることが明らかになったわけです。当然砂でできているというようなこともありますので、脆弱な堤防であろうということは、確かなことだと思いますが、ということは、先ほどダムができても堤防がもろければ用はなさないということです。

 部長答弁では、19年度から堤防強化工事を実施しているということですが、ほとんどが堤防強化区間になっている。でが、何年までにこの堤防強化工事を実施する予定なのか、それを把握されているのか、お聞きします。

 私は、まず堤防の改修を急ぐべきだと思います。先ほど来言いましたが、市長の意見を見る限りでは、そのあたりの木津川の実態を把握しての意見であるように感じられない、不安を感じます。木津川市の堤防実態を市として認識する、その必要があるのではないでしょうか。その考えをお聞きします。


市長 無堤防地域については認識しているところでして、その件について強く要望しているところです。
 また、堤防の補強については、19年度までに宮の裏、上狛、?田ちいった点で補強していただいていますし、また、今、加茂地域においても1ヶ所継続して実施していただいているところです。今後も十分その点について強く要望していきたいと考えています。


建設部長 今後の国土交通省による計画ですが、木津川市全区域において、今後20年間において補強工事をすることで計画されています。


くれは 最近の雨量は、局地的でかつ想定外の雨量であることが多いです。ここ10年の1時間あたり50_以上の雨量の発生回数は288回と、過去10年間の2.5倍という調査結果もあります。つまり、大雨で川が増水した際、普段は堅固に見える堤防が一瞬にして決壊することがある。円山川もその例でして、水が越える越水と浸透が複合的に発生して生じた例がそれです。木津川の堤防とて、先に述べたように砂でできた堤防であるのだから、今後20年かけてというような悠長な話で済まされないというように思います。

 9月17日付けの朝日新聞記事に、京都府知事が大戸川ダムの先送り案を提示とありました。熊本県でも川辺川ダム計画の白紙撤回とダムに寄らない治水対策を追求すべきと表明され、国が進めてきたダム建設を自治体の長が見直しが提案されています。

 私が見た資料では、淀川の20キロ分は今後5年間で120億円かけて強化する予定だと、上流の3河川は10年間に15キロ分に限って強化し、すべて終えるのは30年後と記載されていました。

 木津川にかかる部分は20年間と言う答弁を頂きましたが、大雨でいつ壊れるかもしれない堤防と、限られた場合の大雨の場合にしか必要とされないダムの問題、私は熊本県の知事の英断も含めて、ダム建設の前にすべきことを木津川市長として積極的に強力に推し進めるよう、国や府に対して申し述べていくべきだと思います。その決意を聞かせていただきたい。


市長 もっと、早く堤防の強化を含め、やるべきではないかという意見です。
 現在は、想定以上の雨が降るということで、非常に大きな被害がでていると言う現状です。
そういったことを備えて、私ども淀川河川事務所においてロールプレイイングという、そういった想定訓練を実施をしてきました。近隣市、また消防団、職員が出向きまして、いざというときの避難訓練も含めた訓練もさせていただいているところです。

 一気にそういった堤防を補強するということはなかなか不可能ということもありますので、この後は要望も続けながら、そういった訓練も強化していきたいと考えています。

 また、ダム建設の問題については、利水、また治水の面で非常に重要な問題であると考えています。流域自治体がこういった問題については一体になりまして、住民の生命、財産を守るべき問題であると考えていますので、本市のみで判断していくものではないと考えています。

 府の今後の動向も十分に様子を見ながら、また近隣市町村とも連携調整をはかりながら、今後は判断していくべきであると考えています。