くれは 3問目、「スクールソーシャルワーカーを配置せよ」としてお聞きします。
  2年前の12月のこの議会で、市の特色ある教育環境をとして、スクール
ソーシャルワーカー、以下SSWというふうに読みます、の配置の提案をいたしました。
その際の保健福祉部長の答弁は「新しい取り組みであり、今すぐどうのこうのというわけ
ではなく、いずれこういったことも出てくるのではないかと思ってますけれども、現状に
ついては、非常に回数は多いですが、十分注意しながら進めているところです」でありました。

 この間の状況を確認するとともに、現場の状況などから、SSWの配置を求めて質問します。
SSWの活用事業は文部科学省が平成20年度から実施されたものです。福祉の専門知識を
用いながら、家庭や学校だけでなく、関係機関と調整しながら、環境を整えていく存在として、
導入されて、全国で944人ものSSWが採用され、必要性と存在が教育現場でも認知される
こととなりました。
 
  そこで聞きます。
1 京都府のSSW事業はどのようになっていますか。木津川市への派遣はあるのですか。
2 児童福祉法の改正により、市は20年度に木津川市、要保護児童対策地域協議会を設置
されました。これは虐待を受けた児童に対し、関係機関が連携を図って、児童虐待に対応
することを目的とした協議会であり、問題の重要性や協議内容に応じて、ケース会議などを
適宜開催して、要保護児童の援助に必要の情報の共有化や支援方法等を協議されています。
現状はどうですか。
3 実際のケースにおける家庭への働きかけの部分はどのようにされておりますか。
そして、4点目、第三者的役割を担うSSWの存在が、木津川市でも必要ではないですか。
  以上、お聞かせください。


教育部理事  呉羽議員の1点目と4点目のご質問にお答えいたします。
  まず、1点目です。
 京都府におきましては、国のスクールソーシャルワーカー配置制度を活用し、家庭と
連携の上、児童生徒の基本的生活習慣や学習習慣の定着を支援する「まなび・生活アドバイザー」
を配置する事業がございます。
  
小学校には、退職教員等が配置され、中学校においては、社会福祉士が配置されております。
 本市においては、本年度より小学校1校に「まなび・生活アドバイザー」が配置されたところであります。
  
 次に、4点目のご質問にお答えいたします。
 子育てや養育の在り方などについて、支援を必要とする保護者の方がふえてきているのは
事実であると考えます。
 現在、その対応といたしましては、児童・生徒の課題の実態や家庭の状況等を踏まえ、
福祉部局、民生児童委員等との連携の下、必要に応じスクールカウンセラー、精神科医、
弁護士等との協議を行ったり、関係機関が集まってのケース会議を開催するなど、第三者を
交え組織的に対応を行っているところであります。

 スクールソーシャルワーカーにつきましては、その役割を担う「まなび・生活アドバイザー」が、
本年度小学校に配置されたところであり、その機能や役割について、よく検証してまいりたいと
考えております。
  以上でございます。


保健福祉部理事  呉羽議員の2点目のご質問にお答えします。
  現在、木津川市要保護児童対策地域協議会においては、代表者会議を年2回、実務者
会議を年4回、個別ケース検討会議は必要に応じて実施いたしております。
  平成24年11月末時点のそれぞれの会議の開催状況につきましては、代表者会議を
1回、実務者会議を2回、個別ケース検討会議を28回開催しております。
  代表者会議では、協議会全体に関する事項についての協議を行っており、
実務者会議では、困難ケースについて児童相談所、山城南保健所を交えて、各ケースの
情報共有と援助方針の確認を行っております。
  また、個別ケース検討会議では、各ケースの状況にもよりますが、関係機関にお集まり
いただき、各機関での対応・支援の確認、今後の支援の在り方・役割分担等を協議いたして
おります。
 
  次に3点目のご質問にお答えします。
  家庭への働きかけはケースによりさまざまでございまして、保育園・幼稚園・各学校を
中心に見守りを行っていただいているケースもあれば、生活保護の担当者を中心とした支援
を行っている家庭、健康推進課の保健師を中心とした支援を行っている家庭、子育て支援課を
中心として支援を行っている家庭、また福祉サービス機関が中心として支援している家庭、
そして複数の機関がかかわっている家庭等、家庭の置かれている状況に応じて働きかけを
行っている状況でございます。
  以上です。


くれは ちょっと少し、私の中でも整理ができてない部分もあるんですけど、まず最初に
大谷理事におっしゃっていただいた今年度から小学校1校というところに配置された、
これはどこの学校にですかね。


教育部理事
  呉羽議員の再度のご質問にお答えいたします。本年度より配置された学校は加茂小学校でございます。
  以上でございます。


くれは はい、ありがとうございます。
  それと、4点目のところで理事に答えていただいたケース会議を開催する。こちらもケース会議
を開催しているし、組織的に対応を行っている、そして先ほど理事も保健福祉部理事も答えて
いただいた、虐待の関係での要保護の地域協議会でもケース会議を行っている、ここら辺の
関係というか、整理というのは重なっている部分も多分あると思うんですけれども、そこで福祉
の専門的な知識を持った人たちも必ず入っているという認識でいいんでしょうかね。


教育部理事  
  呉羽議員の再度のご質問にお答えいたします。
  ケースによっては、必ずということは言えないかもしれませんが、先ほど保健福祉部理事
のほうからございましたように、基本的には福祉訪問の方が入っておられるというケースが
ほとんどではないかというふうに考えております。
  以上でございます。


くれは 実は、12月11日の夜の9時にNHKの京都のニュースを見ていました。
たまたま見ていたときに、ごらんになった方もおられると思うんですけれども、その
スクールソーシャルワーカーの京都市での研修の様子だとか、京田辺市の中学校に
配置されている社会福祉士の方の取り組みの様子が披露されていたというか、
直接お話も聞きながら、会議をしている様子等々も密着された様子が打ち出されていました。

 そして、ここで述べられていたのは、2年前に京田辺を配置されたと、火曜日に、
週1回来られてて、校内会議を開いて、情報共有をして、教師と協働しながら、地道に
進めておられると。そして、外部機関との間に入ることでよい支援態勢が引き出せる、
チームで解決することが肝要というようなふうに、先生を交えての会議の様子が流れて、
感想も言われてました。
  
 やはりはケース会議がいろいろ開かれているというふうに聞かせていただきましたし、
実際には、聞いておるんですけれども、なかなか家庭の中に入っていく困難さ、家庭の
というか、子どもさんではなくて、そこの背後にある親御さんへのサポート、それをしていく
、例えばお母さんが働いてもらうように支援をするであるとか、例えばいろんな形での資格
を取ってもらうように支援をするだとか、福祉につなぐというところのサポートに、家庭に入る
ことが非常に困難というふうに聞いています。そこらあたりが進めていくのが
、スクールソーシャルワーカーという職種だろうなというふうに感じるんです。

 学校教育理事もいろいろと頑張っていただいているようで、そこら辺は現場に近いところで、
よりかかわっておられるところで、福祉の専門家としての存在というのが必要という感想を
持っていただいているのかどうかを確認したいなというふうに思っております。


教育部理事
  呉羽議員の再度のご質問にお答えいたします。
  いわゆる社会福祉士の方になるかというふうに思いますけれども、やはり現状と
いたしましては、さまざまな行程もございます、また、ケースもございます。そのような中
で先ほど申しましたように、いわゆる、関係機関が協議しながら、どういうふうな支援の
あり方があるかということでケース会議等を開いておるわけですけれども、そういう中で、
家庭に入るという部分についてでございますけれども、例えばなんですけども、先ほど
申されました京田辺市の中学校のテレビ番組、これにつきましては、残念ながら私のほうは
見られなかったんですけども、内容等は聞いております。

 そういう内容を踏まえますと、やはり、おっしゃるとおり、家庭内にいわゆるSSWの方が
入るとしても、なかなか難しい部分があると、どちらかというと、役割としてはやはりSSWの
方については、そういう関係機関と学校、また、それ以外の部署等のつなぐというような役割が
主な役割として、今回、テレビでやられた学校もそういう部分であったのではないかというふうに
私は承知しているところです。
 
  つきましては、私も実際に家庭内に入ることは、なかなか、やはり学校の関係性がある中
で、関係部署のものが簡単に入るということはなかなか難しいのではないかというふうに
感じているところでございます。
  以上でございます。


くれは 文部科学省のホームページ上にありました事例を、ちょっとここで紹介したいと思います。
これは京都府の教育委員会の23年度の改善事例ということであげられている、その事例を
2つ紹介します。
  1つの行動は暴力です。この家庭は外国籍のお母さんと内縁の男性との生活をしている、
これは、こんな事例がきっちりと書いてあるんですね、ホームページに、文科省の。家庭内で
両親から暴力を受けることはなかったけれども、入学当初から、他の生徒への暴力行為が
見られた。そこで、担任と学年担当の教員、SSWでケース会議を開いて、本人への対応だとか
母親への対応について方向性を検討した。

 その上で、暴力行為に対しては担任を中心に生徒にかかわり、そして、保護者了解の上、
カウンセリングも行った。そして、母親についてはSSWが面談して、養育や仕事のことなど、
母親の悩みや思いの相談に応じた、そして、市の社会福祉課と子育て支援課とともにSSW
が中心になって連携し、情報を共有するとともに、母親の就業や資格取得について支援体制
をつくり、対応した。こういうことにしていく中で、暴力行為について反省することができた。
今後も母親のカウンセリング、指導を継続していく必要があるというふうに結ばれているのが、
改善事例の概要ということで、1つ挙げられています。
 
 また、不登校と児童虐待がかかわっての事例で、母子家庭の方だったみたいです。学校に
ほとんど登校せず、弟の面倒を見ていると、家庭訪問しても母親と会うことは難しい。そこで、
担任の教師とかSSWによるケース会議を持ち、情報の収集と共有をはかり、今後の対応に
ついて協議した。
 そして、児童相談所とか、関係各課とケース会議を開催して、学習機会等の保証を検討した。
そして、SSWとケースワーカーが連携して、母親に本人の登校と兄弟の保育園入園を働きかけた。
結果、本人の不登校状況は少し改善した。兄弟の保育園入園も実現をしたけど、母親の就業など
の課題は残っている。
  
 これが京都府がスクールソーシャルワーカーの活用による、主な改善事例として2点挙げら
れている23年度の事例です。22年度の事例もあるみたいです。急にはうまくいく、そんな魔法の
杖みたいなのがあるわけではないというふうには思います。しかしながら、関係機関と連携し、
調整するコーディネート役のスクールソーシャルワーカー、そして、児童生徒が置かれた環境の
問題に働きかける、これがスクールソーシャルワーカーに役割ということで、全国的にも広がっ
ているし、大阪なんかはすごく進んでいるというふうに思います。

  やはり、虐待もふえているのも含めて、児童の置かれている立場の家庭の環境とかが、
やはり、いろんな原因があるんだろう、それは貧困であるとか、ひとり親家庭だとか、そういう
複雑な要因が絡み合って、それが問題行動として子供に出ている、そんなふうに思います。

 だから、弱いところに出る、そのあらわれ方が、子どもがそういう形で出ているんだろうなと
いうふうに思います。だから、助けてあげなきゃというふうに感じて、2年前も含めて、今回も
提案しているわけです。

複雑に絡みついた要因をときほぐす作業、その作業がチームでの取り組みだというふうに思います。
一つお聞きしたいんですけれども、いづみ福祉会に委託している障害者相談支援業務というのが
あるかと思います。そこら辺というのは、こういう形で、また関係性をつくったり、この中に配置して
整理したりできる事業というか、方なんですかね。


教育部理事 呉羽議員の再質問にお答えいたします。
いづみ福祉会の、そういった福祉の専門家の方につきましても、ケースに応じまして、ケース
会議のほうには参加をしていただいてるという状況でございます。
以上でございます。


くれは ですよね。やっぱり、学校現場とか、幼稚園、保育園も含めて、そういう相談事業体制
があるんだよということを、もっときちんと周知していってほしいなというふうに感じます。
 SSWの活用ができれば、本当にしてほしいですし、今ある施策をきちんと絡み合わせながら、
本当に声を上げてる、悲鳴を上げている子供の背景をきちんと手立てをしてあげてほしい。
そんなふうに感じての質問です。

 これだけ一つ確認しておきます。養護教諭の存在についてです。養護教諭の先生も非常に
頑張っていただいてるんですけれども、人数の件です。これはぜひとも、ここで確認しておきたい
というふうに思います。人数、国の850人ですかね。小学校では、851人以上でないと、子ども
の数がそれでないと2人体制にはなれないというのがあるかと思います。

木津川市内の小学校の児童数を見ますと、796人のところ743人のところ、そして、46人のところ、
様々です。しかし、これが1人の養護教諭の方が頑張っておられるんですよね。そこら辺の問題も、
やはり、ここに含まれてくるというふうに思いますので、この問題もあわせて解決していって
ほしいな、手当てをしてほしいなというふうに思います。
教育長でしょうか、考え方を確認しておきたいと思います。


教育長 養護教諭の定数配当にかかわっては、今ご指摘のように定数配当基準というのが
ございます。梅美台、州見台、非常に生徒数、子どもの数がふえてきております。
そういったことでは、基準というのがありますが、これがなかなか市の単費でというような
状況にはございませんので、府のほうに、少なくとも梅美台は何とかならないかということの
要望というのを、来年度へ向けて強く要望していきたいと、そう思っております。
 以上であります。


くれは 子どもは悩んでおりますし、学校現場も困っている状況もありますので、要望をする
とともに、市できちんと、単費でも見るよというような姿勢がぜひとも欲しいなというふうに
思っての質問です。
予算の件は市長側にもかかわってくることですので、最後にSSWの配置の問題も含めて、
子どもの背景にあるいろんな課題について、私のお伝えしたところなんです。そこら辺の
市長の子育てをナンバーワン、そして、子育ての経験のある方としての思いを確認して、
最後の質問としたいと思います。


市長  
呉羽議員のご質問にお答えいたします。現在は非常に子どもの環境というのは、
非常に厳しいものもあるというふうの思います。なかなか事情も複雑であったりということも
ありまして、学校だけでは、なかなか対応しきれないという中で、福祉の分野、学校、
いろんな専門の方が手を携えて、そういった問題について一つでも解決しよう、支援を
していこうという体制をとっております。
  今後も、こういった体制についても十分に強化をしてまいりたい。予算の面もござい
ますが、子どもたちがすくすくと元気に育つ、そういう環境を整えてまいりたいというふうに
考えております。
  以上でございます。